蒲公英 ~癒しと生命力の花~

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【ボツエピソード】スレッジ2・第32話 

( 2009/08/21 18:31 ) Category 設定/キャラ紹介 | CM(0)

スレッジ・チェイサー第2シーズンにおいて、終盤の展開はさんざん迷いました。
先日完結編をアップしましたが、それは二通り考えたうちの一方のパターンを微修正したものです。
ここでは、もう一方のパターンがどんな風だったかをお見せしようと思います。

読み返してみるとやはりこちらのパターンは発表したものより随分ひどい出来です(^^;
では、ボツにした方のあらすじと、訂正前の32話の全文をのせておきます。





まず、予備知識として。

この世界は近未来の地球のパラレルワールドのようなものだと思ってください。
ネオ・ジップは都市名でして、ザップ国というのがスレッジたちが所属する国家の名前です。
ネオ・ジップは震災まではザップ国の首都だったけど震災後は遷都されており、現在は地方都市のひとつという位置付けになっています。
五大国連合という国際機関があり、そこにはザップ国は含まれていません。
ザップ国を含む世界の国々は、五大国連合によって貿易には口出されるわ、軍事費にも口出されるわでいろいろと牛耳られています。
そんな状況に、ペイジは大きな不満を感じていました。

以上は、どちらのパターンにも共通する設定です。

2009年8月24日追記:
以下、発表済みの本編とは違う展開なのでネタバレというわけではありませんが、本編を読んでからご覧になった方がいいかも。どうしても、というわけではありませんが。

実は、マーチン・デービス大尉が中央情報局を裏切り、ペイジ側につくという展開を用意していました。
異星人による技術の存在を証明するためスレッジが捕獲・機能停止させた《ダークパペット》が実は生きていて、マーチンは《ダークパペット》を通じてペイジと連絡を取り合い、「強いザップ国」を実現するという野望に目覚めてしまうのです。
ダフネとスレッジは“被験体”たちを味方に引き入れて分担し、一方は取引現場でペイジたちと、他方は研究所でマーチンたちと戦うことになります。
その過程で何人かの犠牲が出て、ダフネは一旦自在空に連れ去られます。
マークとカナが戦闘不能となり、スレッジ側で戦えるのは、右脚の折れたスレッジと、ミリィとユキの三人だけとなってしまいますが、彼らはダフネ奪還のため自在空へと飛び込んでいきます。

一旦この展開で書き上げた私は、どうしてもこのまま発表する気になれませんでした。
バレリーは殺され、“被験体”たちも一人残らず戦死してしまいますが、その割に盛り上がりに欠けるのです。
悲惨さも希薄ならエンターテインメント性も皆無なので、落ち込んでおりました。
こういうと読者様には失礼かとは思いますが、すでに発表した方も決して完全に納得できる仕上がりというわけにはいきませんでした。
まだまだ、修業が足りません、私……。
次こそ、がんばります!


ここから下は、ボツにした方の32話の全文です。


 人の手を模した無機質な黒い手が受話器を掴んでいる。
「はい、ジョンソンです。いえ、問題ありません。八十七番は覚醒しました。ルーデル研究員によれば、会話訓練は本日中に完了するとのことです」
 黒い手の持ち主が受話器を置く。同じ色の胴体、同じ色の足。その足下には、本来の声の持ち主が横たわっていた。
 デイビッド・ジョンソンの声色で話し終えたのは《ダークパペット》である。内線による通話を終えた《ダークパペット》は無機質なカメラアイをダフネに向けた。
 一方、ダフネは別の《ダークパペット》に背後から抱きすくめられたまま動けずにいる。
 地下六階は壊滅的な惨状を呈している。ダフネ以外のクローンたちは覚醒プロセスを経ることなくシリンダーを割られ、ついに目を開ける機会を得られぬまま床に転がってしまっていた。床に転がっているクローンは八十九体。九体のクローンが忽然と消えてしまっていた。
「必要なのはフィールド能力を持つクローンだけなのでね。ここのシリンダーを割ったことで残り九十八体の《ダークパペット》も覚醒し、私の頼もしい軍隊に加えられた」
 呟く《ダークパペット》の声はデイビッド・ジョンソンのものからペイジ中佐のものへと変わっていた。
「今回の作戦にあたり、最高のフィールド中和能力を発揮する《ダークパペット》を投入した。これにはさすがの貴様と言えども手も足も出ないようだな。脆い肉体があだとなり、貴様が抵抗する術は最早ない。我々としては、貴様が宿る個体が持つ能力は喉から手が出るほど欲しい。貴様には催眠術は効かないからな。是非、自発的に協力を――」
「断る」
 ダフネの即答に、シニカルな仕草で手を広げる《ダークパペット》。
「スレッジが聞いたら何と言うかな。目覚めたばかりの二歳半の生命を惜しげもなく捨てさせると言うのかね」
「その二歳半の生命を八十九人分も奪っておいて勝手なことを抜かすな」
 地下六階に男の声が響き渡り、ダフネを羽交い締めにしていた《ダークパペット》が倒れた。
 ペイジ中佐の声を持つ《ダークパペット》がエレベーターホール側を振り向くと、そこにはボブとアルバートに両脇を支えられたスレッジの姿があった。スレッジの手にはブラストライフルがあり、銃口の方向はいま倒した《ダークパペット》を正確に狙っている。
 二射、三射。首がもげ、手足ももげて火花を散らす《ダークパペット》は、完全に機能停止してしまった。
 連射中のスレッジの背後から現れたランディが、やはりブラストライフルで警告もなくペイジ中佐を撃つ。
 しかし、光線はペイジ中佐の眼前で放射状に拡散してしまった。
「ほう、ヘルマンというのはあなどれん男だ。貴様等“被験体”に地下六階入室許可を与えた上でこちらに残しておくとは」
 ペイジ中佐の声を持つ《ダークパペット》の姿が薄れていく。
「逃がすか――」
 駆け出そうとしてよろけるスレッジを、ボブとアルバートが支え直した。
 そんな彼らに、次第に薄れつつも冷笑めいた響きを含むペイジの声が降りかかる。
「いいことを教えてやろう。今頃取引相手が、貴様等“被験体”の仲間に向かって自爆テロを敢行している頃だよ。……貴様等にも置き土産をやる」
 《ダークパペット》の胴体側面を覆っていた蓋状のものが左右に開き、その中から人間の拳よりやや大きな楕円形の物体が複数個落ちてきた。それらは硬い音を立て、床に散らばる。表面がごつごつした、“パイナップル”の別称を持つその物体群は――
「手榴弾だっ。全員同調しろ」
 スレッジの叫びと共に、《ダークパペット》の姿が掻き消えた。
 虹色の膜が“パイナップル”を覆う。
 内部で荒れ狂う爆発と轟音を完璧に遮断し、膜が白濁する。

 地下六階を静寂が支配したのはまばたき一回に満たない程度の時間でしかなかった。
「スレッジさん、ハンナたちが――」
 アルバートが焦った声を出す。
「わかってる。行くぞ、ダフネ」
「いいえ、主様。取引現場には、まずはあたしとボブとランディで向かいます。主様とユキとアルバートのお三方には先に済ませておいていただきたいことがあります」
 ダフネの返事をスレッジは訝った。
「ユキ? 彼女のフィールド能力はもうなくなったんだろう」
「増幅する相手を消耗させすぎないよう、ブレーキがかかるように設定しておいたのです。詳しくお伝えする時間がとれず、彼女には危険な目に遭わせてしまいました」
 ボブが遠慮がちに話しかけてきた。
「スレッジさん、聞いてください」
「ん?」
「キムとハンナのことです。あいつらはジャックとクレアの復讐をしたいんじゃない。手に入れた強大な力を使いたいだけなんです」
「……」
 スレッジの沈黙をどう受け取ったのか、ボブは弁解するように言葉を続けた。
「僕の接触テレパシーは一日一回、昨日はたまたま二回だったけど、しょっちゅう発動するものじゃありません。でも、あの二人の考えていることは触らなくても判ります」
「だからどうだと言うんだ。助けなくてもいいのか」
「いえ、そうじゃありません!」
 ボブは意外に強く否定してきた。
「取引現場には他の“被験体”仲間も五人いますし。そうじゃなくて、あいつらは助けてもらおうなんて思っていないかも知れない。ペイジ中佐には何の恩義も感じていないけれど、ペイジに喜んで力を貸す可能性さえある。だから気をつけて欲しいんです」
「……だとさ、ダフネ。中央情報局なら俺たちが連絡するまでもなく、取引が前倒しされた情報くらい掴んでいるだろう。取引現場にはデジルたちが向かっている可能性もある。デジルたちのこと、頼んだぜ」
「お任せください、主様」
「ち、ちょっと待て、ダフネ」
 真正面から見つめてくるダフネと目が合ったスレッジは視線を泳がせ、ボブに話しかける。
「おいボブ、お前たちの制服余ってないか。ダフネをこの格好のままで行かせるわけにはいかん」
「生まれたままの姿ではまずいのですか。地球人とは不便ですね」
「……」
 やはりダフネはこのまま行くつもりだったようだ。ダフネによる宿主たるクローンへの教育にどこまで期待するべきか。スレッジは頭を抱えた。
▼追記(18歳未満閲覧危険……嘘ですよ♪)▼
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