蒲公英 ~癒しと生命力の花~

日記ブログ。たまに短編小説を発表。長編小説(別サイト)連載時は更新通知ブログと化す。

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星に願いを 2 

( 2010/09/13 12:12 ) Category 短編/お題 | CM(10)

前回のお話:星に願いを

 今年は秋が来ないのではないかと思うほど残暑が長く続いた。それでも蝉の声が聞かれなくなり、それに気づいた途端ずいぶん涼しくなった。
 街中では、コート姿のサラリーマンやOLが歩く姿もちらほら見かけるようになり、吐く息が白くなる季節がやってきた。
 オネコ座、そろそろ見える頃かしら。
 寝る前にベランダに出て、夜空を見上げる。雨降りの日以外のあたしの日課となっていた。
「あったあった、デブネコ座。あれからもうすぐ一年経っちゃうのね」
 あたしのルールで適当につなげた星座。飽きずに見つめていると、それぞれの星は光の尾を延ばしてお互いにしっかりつながった。清冽な滝のような光の奔流は、やがて地上へと降り注ぎ――
「え、えっ?」

 ――ぼてんっ。
「おう、えめる。久しぶりだニャ」
「チェシャ!」
「…………」
 もふもふ。あたしはデブ猫を力一杯抱きしめていた。
「えめ……。手加減するニャ……。ぐ、ぐるじ」
 気づくとチェシャは大量の汗をかき、汗の重みでヒゲがだらりと垂れている。
「あー、ごめんごめん」
「ふう。気をつけるニャ。わがはいの汗でえめるの部屋を汚したら申し訳ないニャ。だからわがはいを風呂に入れるのニャ」
「そうね」
「えめる……」
 あ、こいつニヤニヤしてる。何を言うか大体わかるわよ。
「水着はなしニャ」
「ばーか♪」

 相変わらず、チェシャの茶色の毛並みは綺麗だった。ドライヤーをかけてやっているが、今夜は眠そうにはならず、おとなしく温風に身を任せている。
 よし、乾いた。
「うん、さらさら、もふもふ♪」
 チェシャは身体のあちこちをあたしに撫で回され、気持ち良さそうにしていたが、こちらを見上げて目を合わせてきた。
「……なに?」
「去年、えめるのお願い、善処はしたけどうまくいったかどうか、確かめる手段がないのニャ」
「うん。あたし考えたんだけど……、傲慢というか自己満足だったな、って。あたしなんかがお願いして、それで幸せになれたとしても、もしその事実を知ったとき、あの人が喜ぶとは思えない。誰だって自分の力で幸せにならなきゃね、って」
 チェシャは目を細め、うなずくかのように首を縦に動かして見せた。
「さすがえめるニャ。やっぱり、選んだ甲斐があったニャ。でもそうすると、去年は何もお願いを聞いていないのと同じってことになっちゃうのニャ。そこでもう一度、お願いを聞きに来た、というわけなのニャ」
「ねえチェシャ。本当に、チェシャにずっとここにいて欲しいんだけど。無理?」
 考えるまでもなく、あたしは即答した。
 すると、チェシャはあたしの膝にすり寄ってきて、本物の猫のように鳴いた。


「ん……」
 あたしは閉じていた目を開けた。どうやらソファに座ったまま眠ってしまっていたらしい。
「チェシャ? どこ?」
 チェシャの姿が見当たらない。
 いや、そもそもいなかったんだ。有り得ない。空から猫が降ってくるなんて。
「なんだ、また同じ夢を見ちゃったのね」
 床に置きっぱなしになっていたドライヤーを片付ける。
「あれ」
 ベッドの上にいた。
 チェシャが、いた。
「チェシャ! ずっと、ずっといてね」
 ――にゃあ。
 チェシャはもう人間の言葉を喋ってくれないのだろうか。
「いてよね」
 もう一度、鳴いた。
 ――それ、わがはいの願いでもあったのニャ。
 そう言ってくれたような気がした。
 あたしはチェシャに抱きつく。茶色の綺麗な毛並みの猫が、いまあたしの腕の中にいる。
「チェシャ」
 もふもふの感触を噛み締めた。


あとがき

当ブログ22222キリ番のリクエスト、今さらですがアップします!
これはえめるんからのリクエスト、「星に願いを」の続編。
一応、一年後を描いてまして……完結編です^^
▼追記(18歳未満閲覧危険……嘘ですよ♪)▼
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オネコさま!やっぱり和んでしまいます☆
こういうお話好きです
( ´艸`)
[ 2010/09/13 15:34 ] [ 編集 ]
えへへ^^
和んでもらえてよかったw
[ 2010/09/13 18:29 ] [ 編集 ]
お邪魔致しますぅ。

オネコさまかわいいですよ、オネコさま!
いいなぁ。
我が家にも空からオネコさま、降ってこないかなぁ。
[ 2010/09/13 18:46 ] [ 編集 ]
いらっしゃいませ、こんばんはぁぁ。

> 我が家にも空からオネコさま、降ってこないかなぁ。
晩秋の夜空にオネコ座を思い浮かべれば♪
きっと……って、私も結構ほしかったりして☆
[ 2010/09/13 19:09 ] [ 編集 ]
はうはうはうっ^б▽б^
なーんて可愛いお話なの~~っ
いきさん、ありがとですっ
これね、えめるのホントの願いだわ。
またいつかネコと暮らしたいって。
そして、幸せは自分の力でなるものだって。

えーん。感動して涙でましたけどぉ。嬉しすぎだよっ。
[ 2010/09/13 19:56 ] [ 編集 ]
よかった、ほっとしたぁ~☆

> そして、幸せは自分の力でなるものだって。
前作読み返してみて、やっぱりえめるんならこう言うんじゃないかって想像(妄想)したのさ^^
読んでくれてありがと!
[ 2010/09/13 20:01 ] [ 編集 ]
こんばんは、精米です。
またまたお邪魔させていただきました。
「星に願いを 2」拝読させていただきました。もちろん「星に願いを」も一緒に。
チェシャの可愛さもさることながら、深い台詞にも心を打たれました。
猫可愛いですよね。にゃんこ。ああ、飼いたい。

個人的な願望を垂れ流してしまいました。すみません。
またお邪魔するかと思います。それでは。
[ 2010/09/13 20:06 ] [ 編集 ]
いらっしゃいませ^^
深い台詞とのこと、ありがとうございます。

ええ、ずっと交流していきましょう!
よろしくです。

※なぜか精米致志さんのコメントがブログ画面で確認できませんが、管理画面ではきちんと見えていますので、おそらくFC2の一時的な不具合ではないかと思います。
[ 2010/09/13 20:19 ] [ 編集 ]
1知らなかったので、合わせて読みました!

とりあえず、著作権云々言うチェシャに吹きましたw
何故お前はそんなに汗っかきなんだっ!
床に垂れるって、どんだけ発汗能力高いんでしょう!?
……あ、なるほど、大気圏突入で汗かいたのk(強制終了

えめるに「本当のさいわい」を願ってもらえる人は、
なんとなく既にとっても幸せな気がしました。
(本当の幸いとかネタ古くてすみませんっ
[ 2010/09/14 21:06 ] [ 編集 ]
> とりあえず、著作権云々言うチェシャに吹きましたw
にやり(^^)

> ……あ、なるほど、大気圏突入で汗かいたのk(強制終了
おぉ、なるほどw

> (本当の幸いとかネタ古くてすみませんっ
だいじょぶw 凪音さんにとっての古いネタほど私に通じる可能性が高い(^^)
[ 2010/09/14 23:52 ] [ 編集 ]
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